
近年、エンターテインメント業界では、伝統的なテレビ放送局とグローバルな配信サービスによるコンテンツ競争が激化しています。日本国内ではNHK大河ドラマが依然として強い存在感を放つ一方、Disney+(ディズニープラス)のようなプラットフォームは、意欲的な韓国発シリーズをグローバルに展開しています。
NHK大河、三谷脚本で描く権力闘争
2022年1月9日に放送を開始したNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、その好例の一つです。この作品は、混沌とした鎌倉時代を舞台に、小栗旬が演じる主人公・北条義時が、13人の御家人による合議制の中で繰り広げられる権力のパワーゲームをいかにして勝ち抜き、最高権力者へと上り詰めていくかを描いた物語です。
脚本は、2004年の「新選組!」、2016年の「真田丸」に続き、三谷幸喜氏が3作目の大河ドラマとして手掛け、そのユニークな解釈と巧みなストーリーテリングが注目を集めました。
豪華俳優陣が織りなす鎌倉絵巻
本作の魅力は、その豪華なキャスティングにもあります。主人公の義時(小栗旬)が属する北条家には、時政(坂東彌十郎)、宗時(片岡愛之助)、政子(小池栄子)、泰時(坂口健太郎)らが顔を揃えました。対する源氏・奥州方では、源頼朝(大泉洋)、頼家(金子大地)、義経(菅田将暉)が登場。
さらに、山本耕史(三浦義村)、中川大志(畠山重忠)、中村獅童(梶原景時)、佐藤浩市(上総広常)ら坂東武士団、そして西田敏行(後白河法皇)や松平健(平清盛)といった朝廷・平家側も含め、実力派俳優たちが集結し、複雑な人間関係と権力闘争を重厚に演じました。
Disney+、韓国ノワールの異例の展開
一方、配信サービス側も強力な新作を打ち出しています。Disney+は、韓国発の新作クライムシリーズ「メイド・イン・コリア」のシーズン1を、来る12月24日に配信開始することを決定しました。この発表は、香港ディズニーランド・リゾートで開催されたDisney+のオリジナル作品プレビューイベントのパネルディスカッションで明らかにされました。
驚くべきは、このシーズン1の配信開始を待たずして、すでにシーズン2の制作が承認され、製作が進行中であるという点です。これは、作品に対するプラットフォームの強い自信をうかがわせます。イベントには、主演のヒョンビンをはじめ、チョン・ウソン、ウ・ドファン、そして監督のウ・ミンホが登壇しました。
1970年代韓国を舞台にした二重生活
「メイド・イン・コリア」は、1970年代の韓国を舞台にしたクライムノワールドラマです。物語は、韓国中央情報部(KCIA)のエージェントでありながら、裏では密輸業者として暗躍するという二重生活を送る主人公、ペク・ギテ(ヒョンビン)を中心に展開します。非常に野心的な彼は、自らの違法な活動を利用して、組織のトップへと上り詰めようと画策します。
