今季のテレビ番組は「裏の顔」がキーワード:復讐劇から最悪の観光地巡りまで

テレビの前の視聴者をただ心地よく楽しませるだけの時代は、もう過去のものなのかもしれない。昨今のエンターテインメント業界を見渡すと、むしろ世の中の理不尽さや隠された裏の顔にスポットライトを当てた作品が強い存在感を放っている。フィクションの世界で権力者の闇に鋭く切り込むサスペンスドラマがあれば、現実の世界で観光業界の不都合な真実を暴き出す一風変わった紀行番組もあるのだ。今回は、全く異なるアプローチでありながら、ともに社会に潜む「罠」や「悪意」を描き出す国内外の注目2作品を取り上げたい。

権力者に牙を剥く、鮮やかな復讐劇

まずは国内の話題作に目を向けてみよう。1月16日にスタートするフジテレビ系の月曜午後10時枠ドラマ**「罠の戦争」**だ。草彅剛が主演を務める本作は、2015年放送の「銭の戦争」、そして2017年の「嘘の戦争」に続く、実に6年ぶりとなる待望の“復讐シリーズ”最新作である。

主人公の鷲津亨(わしづ・とおる)は、長年にわたり命懸けで尽くしてきた政治家に突然裏切られただけでなく、愛する家族まで深く傷つけられてしまう悲運の議員秘書だ。しかし、どん底に突き落とされた彼が選んだのは泣き寝入りではない。知略の限りを尽くして鮮やかな「罠」を幾重にも仕掛け、腐敗した悪しき政治家たちを次々と失脚へと追い込んでいく。絶対的な権力に対して一個人がいかにして立ち向かうのか、そのスリリングで容赦のない展開は多くの視聴者を釘付けにするだろう。

観光客を狙う「罠」に体当たりする型破りな紀行番組

一方で、現実世界に実在する別の意味での「罠」に果敢に挑む番組がある。それがイギリスで制作された旅行番組**『Zero Stars(ゼロ・スターズ)』**だ。

正直なところ、有名人が出演するだけのありきたりな旅番組はもうお腹いっぱいだという人も多いはずだ。怠惰で自己満足に満ちた、視聴者の知性を軽視しているのかと言いたくなるような番組が世の中には溢れかえっている。だからこそ、驚きと共に報告したいのだが、この番組は全くの別物である。本作は斬新な前提条件と、見ていて決して苦痛にならないホストを見事に融合させた稀有な成功例と言える。

コメディアンであり、何より親友同士であるサラ・パスコーとロワザン・コナティが案内役を務める本作のテーマは、ずばり「最悪の観光トラップ」だ。旅は人の視野を広げるとよく言われるが、同時に旅行者は常に搾取のターゲットになりやすい。世界中のどこへ行っても、法外な料金に見合わない観光名所が存在し、観光客を単なる「歩くATM」としか見ていない悪徳業者が手ぐすねを引いて待ち構えている。

笑いとリアルな不満の絶妙なバランス

番組はこうした観光業界の暗部にわざわざ自ら飛び込んでいく。不機嫌極まりないインストラクター、腹を壊しそうな怪しい料理、そして旅行者をただいたずらに疲れさせ、不快にさせるだけの名所巡り。純粋に人々が休暇を楽しむ姿を見たいのであれば、この番組は全くお勧めしない。

しかし、二人のホストとしての腕前は実に鮮やかだ。彼女たちは単なる熱狂や嘲笑に陥ることなく、絶妙なバランス感覚で世界のしょうもない名所を巡る。少しでも一歩間違えれば「外国って変だよね」という1990年代の時代遅れで偏見に満ちたノリになりかねないが、彼女たちはその危険な境界線を上手く綱渡りしている。

第1話の舞台であるイスタンブールでの立ち回りを見れば、それがよく分かる。水上バイクのツアーでは、行き交う船の列と衝突しないよう必死にパニックになりながら、呆れ顔のガイドに対してサラがいかに自分が期待外れの客であるかを自嘲気味に語り続ける。また、鑑定時間のほとんどを自分の電話に費やすという失礼な占い師を前にした際は、怒るどころか、二人はふざけ半分でその占い師の関心を引こうと小競り合いを始めるのだ。トラブルの矛先を常に自分たちのユーモアへと変換させる技術には舌を巻く。

予定調和の先にあるシュールな現実

もちろん、テレビ番組特有の演出が見え隠れする瞬間がないわけではない。イスタンブールに限らず、どこに旅行しようが本当に悲惨な目に遭う可能性は誰にだってある。その点において、この番組が時折手加減をしているような印象も完全には拭いきれない。

象徴的なのが宿泊先のホテルでの一幕だ。彼女たちが5つ星ホテルに滞在することになり豪華な旅になるかと思いきや、実はそこが植毛手術を受ける患者たちのための大規模な提携ホテルだったことが判明する。ロビーを見渡せば、頭に痛々しい包帯を巻いた男たちで溢れかえっているというシュールな光景が広がっていた。フィクションの復讐劇が描く緻密な罠であれ、現実の観光地で待ち受ける理不尽な罠であれ、予定調和を崩された先にこそ、人間の本性や社会の真の姿が浮き彫りになるのかもしれない。