
4月に第2期の最終回(第11話)を迎えたばかりのアニメ『ドロヘドロ』だが、その余韻に浸る間もなく早くもファン待望の吉報が舞い込んできた。最新エピソードの放送後、TOHO animationの主導により第3期の制作が進行中であることが正式にアナウンスされたのだ。現時点で具体的なリリース時期こそ明かされていないものの、この発表を祝して林祐一郎監督から劇中キャラクターのハルが熱唱する姿を捉えた記念イラストが公開されている。
本作のルーツである林田球の同名オリジナル漫画は、2000年11月から2018年9月までおよそ18年もの歳月をかけて小学館で連載され、全23巻で完結を迎えた(英語版はVIZ Mediaより出版)。唯一無二のダークでグロテスクな世界観と、そこに相反するようなブラックユーモア、そして混沌を極めたストーリーテリングは、長年にわたり国内外で熱狂的なカルトファンを生み出してきた。
物語の舞台となるのは「ホール」と呼ばれる無法地帯。そこでは異世界の魔法使いたちが、住人をモルモット代わりに惨たらしい魔法の実験を繰り返している。主人公のカイマンもその被害者の一人であり、顔をトカゲに変えられ過去の記憶をすべて奪われてしまった男だ。己の本当の顔と記憶を取り戻すため、相棒のニカイドウと共に魔法使い狩りを強行し、自分に呪いをかけた張本人を探し出す過酷な旅が描かれる。その複雑さゆえに映像化は不可能と囁かれていた本作だが、2020年に初のアニメ版が世に放たれるや否や、事前の予想を鮮やかに裏切るクオリティで批評家からも絶賛を浴びたのは記憶に新しい。
制作の舞台裏に目を向けると、ファンにとってこれ以上ない安心感が担保されていることがわかる。『呪術廻戦』や『ゾンビランドサガ』を手掛けるスタジオMAPPAが過去2シーズンに引き続きアニメーション制作を担当。さらに『進撃の巨人 The Final Season』でもメガホンを取った林祐一郎が監督を続投し、シリーズ構成の瀬古浩司、キャラクターデザインの岸友洋、音楽プロデュースの(K)NoW_NAMEという盤石の布陣がそのまま維持される。
今年は『ドロヘドロ』というフランチャイズ自体にとって、ひときわ意味のある大きな節目の年になったと言える。4月には北米の複数のプラットフォームで第1期および第2期の同時配信が解禁され、ホールの狂気に満ちた世界へ新たなオーディエンスを続々と引きずり込んでいる。Crunchyrollが本作を配信・紹介しているのを筆頭に、現在ではNetflix、Hulu/Disney+、Rakuten、Vikiといったあらゆる主要ストリーミングサービスで全エピソードが網羅されている状態だ。
こうしたグローバルな展開の背後には、『ゴジラ』シリーズや『僕のヒーローアカデミア』といった世界的ヒット作を擁する日本のエンタメ大手・東宝の存在がある。同社は近年「TOHO animation」レーベルを通じて海外向けのアニメ事業を猛烈な勢いで拡大させており、今回の『ドロヘドロ』新シーズンの動きも、そのしたたかな国際戦略の一端として見え隠れしている。ホールでの泥沼の戦いが、世界のストリーミング市場という別の主戦場で今後どう暴れ回るのか、今はただ次なる一手を待つしかない。
